AI-MAILs - メディカルAI人材養成産学協働拠点 | 大学教育再生戦略推進費「保健医療分野におけるAI研究開発加速に向けた人材養成産学協働プロジェクト」

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名古屋大学工学研究科 准教授 藤原幸一先生 講義日 2021.08.12
安全な交通社会の実現のためには,どのような仕組みがあれば安全運転を実現できるかについて考える必要があります.そのためには,車両や道路,信号システムなどのハードウェアだけではなく,ドライバにも着目しなければなりません.そのため,安全運転については機械や土木などの工学分野のみならず,心理学や医学など幅広い分野での取り組みが求められています. ドライバについての調査では,運転中の行動を測定することがあります.しかし,実車環境,特に公道では安全面の懸念があるため,実験の実施は困難となります.そのような場合に活用されるのが,仮想環境において自動車運転を模擬できるドライビングシミュレータ(DS)です.

DSは一般に,車両挙動を模擬するコンピュータと,インストゥルメンタルパネルやステア,アクセルペダルなど運転席を模擬したコクピット,コクピットの前面や側面に運転席内からの車外の風景を投影するディスプレイまたはプロジェクタスクリーンとスピーカーから構成されています.ドライバの入力するステアやアクセル操作と路面状況に基づいてリアルタイムに車両挙動をシミュレートして,車外風景やエンジン音などを生成し,運転環境をできるだけリアルに再現するのです.また,DSによっては,エンジンや路面からの振動なども再現できものもあります.

DSを用いることで,安全に実験が実施できるようになりますが,さらに実車では測定の困難な情報も取得できます.たとえば,運転時のステア角度やアクセル開度を実車から取得するには特殊な装置が必要なのですが,DSではこれらの情報はすべてシミュレーションソフトウェア内部で記録されています.これによって,実車では測定が難しい運転技能についても定量評価できます.また,実車では電磁的環境がよくないため,運転中のドライバ脳波を測定しようとするとアーチファクトしか見えなくなります.しかし,多くのDSは実車ほどノイズが入らないため,運転中の脳波も比較的綺麗に記録できるというメリットもあります.

現在,名古屋大学の医学部と工学部では,疾患をお持ちの患者さんが運転してもよいのかを判断できる仕組みを新たに構築することを試みています.この研究においても運転データの取得にはDSを用いており,取得した運転データから機械学習を用いて運転技能を評価できるアルゴリズムを開発するのです.
このように,運転中のドライバの行動とそれに応じた車両挙動の研究のために,ますますDSが活用されるようになるでしょう.

著書 : 次世代医療AI  生体信号を介した人とAIの融合

名古屋大学医学系研究科 総合医学専攻 脳神経病態制御学 教授 尾崎紀夫 先生
妊産婦のうつ病・双極性障害を理解し対応する:産後うつ病健診実施等を踏まえて と題して日本うつ病学会 会報に寄稿されています。
母となった喜びよりも、大きすぎる責任と周りからの重圧に苦しみ、助けを求める声を上げることができない女性たちがいる中で尾崎先生をはじめとする先生方の研究が母たちを救い、社会が明るくなることとなると信じています。

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